黒米麹の秘密


美味しい色は?

黒米の麹のヒミツ

ゑびす屋オリジナル麹




美味しい色は?
冷凍ブリを焼き魚用に売り出したいと思っていた私は、ブリの身の色が変色することに悩まされていました。
天然ブリは、血合いも大きく、筋肉質のため身の色が濃いのが特徴です。冷凍してしまうと身の色が黒くなり、商品の価値を下げることになります。それ対して、養殖のブリは脂が多く、身の色は白いのです。

氷見のブリは、全て天然ブリ。
添加物を使えばきれいに発色するのですが、「体に悪いものを使ってまでブリを売りたくない」という思いがありました。

この問題を解決したのが「黒米麹」です。


黒米の麹のヒミツ

黒米麹に使った米は、「黒むすび」という黒米とコシヒカリを交配させてできた富山でしか栽培されていない古代米です。炊くと美しい紫色になります。

この黒米が、なぜ魚の身を美味しくするのか?

黒米の紫色はアントシアニンという成分。ポリフェノールの一種で、赤ワインに含まれていることで有名です。
赤ワインが肉料理を美味しくするように、黒米が魚の身を柔らかく美味しくするのではないかと考えます。

しかも、ブリ特有の黒っぽい身の色を鮮やかにしてくれ、麹も相まって身はふっくら。ブリ特有の魚臭さも旨味に感じられるようになっています。


ゑびす屋オリジナル麹
一般的には、麹は専門業者から仕入れることが多いようですが、 魚蔵ゑびす屋の麹は、自社オリジナル。手間をかけて当店で作っています。

なぜかというと、旨味の成分を損なわれにくくするためです。流通している麹は、流通に乗せるために20日程度の賞味期限が必要です。そのため高温で発酵したり、塩分濃度を高くしたりしています。
これでは、せっかくの麹の美味しさが活きてきません。

魚蔵ゑびす屋では、黒米を40度以下で発酵させることで旨味の成分が損なわれにくく、植物性乳酸菌も多く含まれる麹を作っています。

塩分濃度が低いので、塩麹をたっぷり使って魚を漬け込むことができます。だから美味しい漬魚ができるのです。

この麹を利用して作ったのが「醸熟 ぶりステーキ」と「醸熟 ぶり焼きほぐし」です。 魚の旨味を引き出して美味しくふっくらさせる黒米麹。他にもいろんな使い道があり、ただ今レシピを考案中です。完成したら、店舗やこのウエブサイトでも販売します。ご期待ください! 

笠井健司