ブリジェクトX ~社長のブログ~
レシピ ほぐしぶりの手巻き(氷見ぶり焼きほぐし 西京味噌)
発酵食品のキムチには、腸内環境を調えてくれる効果も期待できます。ぶり焼きほぐしの西京味噌を具材に使うことで、ダブルの発酵づかいにもなりますね。
●材料(2人分)
サンチュ…1袋
キムチ…100g
ごはん…適量
韓国海苔…適量
④自由に巻いていただきます。
・お子さまには、サンチュ、韓国海苔、おにぎり、ぶり焼きほぐしの組み合わせで!
・大葉、えごまの葉で巻いてもおいしくいただけます。
発酵食品のキムチを食べることで、腸内環境を調え、暑い夏を乗りきりましょう。

レシピ ほぐしぶりの焼きそば(氷見ぶり焼きほぐし 照り焼き、西京味噌、塩風味)
卵と焼きほぐしぶりのタンパク質に、たっぷりのネギので栄養バランスも抜群のメニ ュー。
ぶりに含まれるビタミンB1は、ネギと一緒に食べることで、身体への吸収が増します。疲労回復効果を高めることも期待できます。
●材料(2人分)
ネギ…適量
蕎麦つゆ…適量
油…大さじ4
②フライパンに油を加えさっと混ぜ、麺を焼き色がつくまでそのまま焼きつけます。(表面がカリッとするくらいまで炒める)
③①と焼きほぐしぶりを盛りつけます。
④そばつゆにつけながらいただきます。
・きざみのりをたっぷりかけてもおいしくいただけます。

おいしいレシピ ほぐしぶりのパスタ(氷見ぶり焼きほぐし レモンペッパー)
●材料(1人分 、子ども分だと2人分)
子供用には、マグカップに入れてもいいですね。

この仕事を始めたわけ
投資トレーダーからの転職
海に魚がいない!
魚の加工を始める
自分で作って自分で売る!
他には無い“ゑびす屋”名物誕生
投資トレーダーからの転職
私、笠井健司は、1960年富山県氷見(ひみ)市で海鮮問屋の長男として生まれました。
すくすくと田舎の港町で育った私は、地方の若者の多くがそうであったように、大都会、東京に憧れるようになっていました。
猛勉強の末、皆が憧れる東京の大学に合格することができ、卒業後は、銀行に就職。外国為替などの売買を行う花形部署でトレーダーをやっていました。
ある日、とんでもないミスを犯してしまいました。
「このままでは千万単位の損失だ…」
トレーダー画面に向かいながら真っ青になり、慌てて売買を閉じたのですが、時すでに遅し。数千万の損失を出していました。
「東京でうまくいかなかったら、氷見に帰って家業を継ぐ」
そう親と約束していたことが胸の奥にずっとあり、これがきっかけで、銀行を辞めて氷見に帰って来ました。
海に魚がいない!
氷見に戻ってからは、家業である海鮮問屋を継いでいました。
漁師が獲った魚を、市場で買い付け、店に卸すのが仕事の海鮮問屋。
バタバタとしながら5〜6年過ぎ、仕事にも馴染んで来た頃、とんでもないことが起こりました。
海に魚がいない!
富山湾の魚が激減したのです。氷見市場の水揚げも大幅に減りました。
私は、人生で初めて「売るものがない!」という経験をしたのです。
海には魚がいて、漁師さんが獲り、それを毎日買い付ける、そんな当たり前のことが根本から崩れたのです。
魚の加工を始める
「こんな不安定な生活ではいけない」
そう思った私は、魚の加工を始めることにしました。
加工魚なら、大漁の時に仕入れて月々売って行くという安定した商売ができるはずです。
アジやサバの干物から始めました。
おつきあいのあったスーパーや量販店の方達にも好評で、たくさん買っていただきました。しかし当時はデフレの真っ最中。
大量に作っても利益がほとんど出ない日々が続いていました。
自分で作って自分で売る!
そんなある日、うっかり冷凍室に閉じ込められてしまいました。
従業員も帰ってしまった後で誰もいません。
死を覚悟しました…。
大学時代の空手が功を奏し、この時は、凍った扉を押し開けて何とか脱出できました。
しかし、私は、深く考え込んでしまったのです。
このまま量販店に卸していても薄利多売になるだけだ。
自分が死んでも、お金もない、何も残らない。
今まで、何のために頑張って来たのだろう…。
ちょうど、氷見に道の駅ができるという話が持ち上がっていました。
そうだ、自分で店を持って販売しよう。
他には無い“ゑびす屋”名物を!
さっそく申し込んだのですが、よく考えると、
店を出すといっても何を売ればいいんだ?
アジやサバの干物では珍しくもなく、安く売ることは目に見えている。
鮮魚はもうこりごりだ。
新しくて店の目玉となる商品を開発すればいいんだ!
その想いで誕生したのが、最初の商品「醸熟ぶりステーキ」です。
オリジナル麹で醸した「醸熟ぶりステーキ」
今でも店の一番人気です。
笠井 健司
【商品開発物語】 ぶりステーキはこうして生まれた!
【商品開発物語】 ぶり焼きほぐし物語
【商品開発物語】 縁起物として生まれた「ぶり茶漬け」
【商品開発物語】氷見いわし唐揚げ用の誕生
氷見の真いわしは「氷見鰯」として広辞苑に掲載されており、江戸の役人がわざわざ買い付けに来たと書物に記述もあります。
主に乾燥させた「干鰯」として食べられています。
この伝統あるいわしが獲れなくなったことは、地域に大打撃を与えました。
代わりに獲れ始めたものは、煮干しや広島県の特産ままかりに使われる小さな片口いわし。
毎朝100〜200トンも水揚げされるのですが、美味しいのですが、商品価値としては真いわしよりも劣るため、さばききれず売れ残った小さないわしを長靴の先で蹴飛ばすような者までいる始末です。
このような小さな魚達は海の中であらゆる魚の食料となり、氷見のブランド魚であるブリもいわしをたっぷり食べて育つのです。
「なんことをするんだ!」心の底から怒りがこみ上げました。粗末にすることは許されないと思いました。
そこで、「この片口いわしを、商品化する方法はないだろうか?」と考え始めたのです。
唐揚げならカルシウムがたっぷり獲れて、子供も大人もパクパク食べられます。
まず、市販の唐揚げ用の粉を使って試しましたが、あまり美味しくありません。生臭さもあります。
「何か工夫しないと…」
粉の選別、味付け、何度も試行錯誤しながら、自社オリジナルの加工方法を探っていました。
経済産業局の地域産業資源活用事業の支援を受けることもでき、さらに、国内外の粉を試し、冷凍技術、魚の加工などあらゆる施策を行ったところ、やっと納得のいく味にたどりつきました。
それが「氷見いわし唐揚げ用 生姜醤油味」。
現在人気の魚介唐揚げシリーズ、最初のヒット商品です。
受賞作品は、東京ビッグサイトに展示されるとのこと。
食品加工の技術や機械の扱い方などで大変お世話になっている富山食品研究所の西岡さんを誘って見学に行きました。西岡さんも受賞の報告をすると大喜びしてくれたのです。
会場に着くと、「氷見いわしの唐揚げ用」が大きく展示されていました。
あのビッグサイトの天井にも届くかの勢いで看板が設置され、その下に小さないわしが展示されているのです。
「西岡さん…これ、こんな大きな賞だったのですか?」と横を見ると、西岡さんは、「俺も知らなかったよ」と言いながらポロポロ泣いていました。
「なぜ片栗粉を使ったのですか?通常は小麦粉を使いますよね」
「小麦はアレルギーがある方もいます。そして冷凍保存するとうまく揚がらないのです。片栗粉にすることで誰でも食べられますし、揚げてもカリッとします。中でも北海道産が一番でした」
「いわしはどんな加工をすると生臭さが取れるのですか」
「魚は一般的に生姜に漬けることで良い味になります。そしていわしの頭をとることで生臭さが軽減されるんです。」
「氷見というと真いわしが有名ですよね。なぜ加工の難しい片口いわしにしたのですか? 小さな魚の頭をとるなんて大変だったでしょう?」
「真いわしの漁獲量が一気に減り、それまで捨てられていた片口いわしを商品化することにしたのです。片口いわしはうまいんですが、やはり加工が面倒ですよね。足も早いですし」
紀伊国屋のバイヤーさんも来て、すごく評判が良いと褒めてくださいました。
「仕事柄よく試食してもらうんですが、いつもあまり食べない家族が、このいわしの唐揚げはぺろりと食べたんですよ」
その言葉を聞いている西岡さんが目を真っ赤にしているのを見て、私も感激してしましました。
買ってくださるお客様はもちろん、地域や、その開発に関わる方全てに喜んでいただける食品加工の仕事。この仕事を生涯続けていけたら幸せだと思っています。
【商品開発物語】ぶりステーキの塩麹煮
コロナ禍で、店舗休業…
自己免疫力!
発酵の力で元気に
コロナ禍で、店舗休業…
2020年4月の緊急事態宣言を受けて、魚蔵 ゑびす屋ではゴールデンウィーク明けまでの休業を決めました。多くのお客様がいらっしゃるこの時期に休業することは、本当に苦渋の決断でした。
しかし、今だからこそ自分たちにできることがあるのではないか、スタッフ一同で考えました。
報道によると、基礎疾患のある方や体力の衰えたご年配の方が感染しやすい一方で、感染しているのに気づかず治っている方々も多いようです。
コロナに打ち勝つために自己免疫力をあげよう!というニュースも流れています。
「自己免疫力のほとんどは腸で生み出される」と言われており、ヨーグルトや納豆、味噌、麹などの発酵食品を摂ることが良いとされています。
発酵の力で元気に
魚蔵 ゑびす屋は、黒米麹を使った商品を多数販売しているので、麹のことなら自信があります。
麹は免疫力向上のほか、オリゴ糖や酵素によって腸の働きを整え消化吸収を助け、魚や肉などのたんぱく質と合わさるとそのまま食べるよりアミノ酸が多くなり独特の深い味わいを生んでくれます。
麹をたっぷりと摂れるような発酵食品を作ることはできないだろうか…?
しかし、魚がメインで、麹を前面に出した商品は作ったことがありません。
黒米麹に漬け込んだぶりステーキを、さらに麹で煮込んだらどうだ?
試作品を作ったところ、スタッフたちに大好評!「すぐ販売したい」と一致団結。こうして「ぶりステーキの塩麹煮」は生まれました。
「麹のWパワー」自慢の商品です(笑)!
黒米麹の秘密
美味しい色は?
冷凍ブリを焼き魚用に売り出したいと思っていた私は、ブリの身の色が変色することに悩まされていました。
天然ブリは、血合いも大きく、筋肉質のため身の色が濃いのが特徴です。冷凍してしまうと身の色が黒くなり、商品の価値を下げることになります。それ対して、養殖のブリは脂が多く、身の色は白いのです。
氷見のブリは、全て天然ブリ。
添加物を使えばきれいに発色するのですが、「体に悪いものを使ってまでブリを売りたくない」という思いがありました。
この問題を解決したのが「黒米麹」です。
黒米の麹のヒミツ
黒米麹に使った米は、「黒むすび」という黒米とコシヒカリを交配させてできた富山でしか栽培されていない古代米です。炊くと美しい紫色になります。
この黒米が、なぜ魚の身を美味しくするのか?
黒米の紫色はアントシアニンという成分。ポリフェノールの一種で、赤ワインに含まれていることで有名です。
赤ワインが肉料理を美味しくするように、黒米が魚の身を柔らかく美味しくするのではないかと考えます。
しかも、ブリ特有の黒っぽい身の色を鮮やかにしてくれ、麹も相まって身はふっくら。ブリ特有の魚臭さも旨味に感じられるようになっています。
一般的には、麹は専門業者から仕入れることが多いようですが、 魚蔵ゑびす屋の麹は、自社オリジナル。手間をかけて当店で作っています。
なぜかというと、旨味の成分を損なわれにくくするためです。流通している麹は、流通に乗せるために20日程度の賞味期限が必要です。そのため高温で発酵したり、塩分濃度を高くしたりしています。
これでは、せっかくの麹の美味しさが活きてきません。
魚蔵ゑびす屋では、黒米を40度以下で発酵させることで旨味の成分が損なわれにくく、植物性乳酸菌も多く含まれる麹を作っています。
塩分濃度が低いので、塩麹をたっぷり使って魚を漬け込むことができます。だから美味しい漬魚ができるのです。
この麹を利用して作ったのが「醸熟 ぶりステーキ」と「醸熟 ぶり焼きほぐし」です。 魚の旨味を引き出して美味しくふっくらさせる黒米麹。他にもいろんな使い道があり、ただ今レシピを考案中です。完成したら、店舗やこのウエブサイトでも販売します。ご期待ください!